
PART 2
アスリートに聞く!
右代啓祐さん
十種競技選手
十種競技の日本記録保持者で、東京五輪出場を目指し練習に励んでいる右代選手。音楽が好きで、高校時代に路上ライブをしたこともあるほどで、ソナーポケットのeyeronさんもファンだと公言する右代選手に、こんなときはこれを聴いているという曲も紹介してもらった。
東京五輪が決まってからは、練習へ向かうとき
サザンの「東京VICTORY」を必ず聴きます。
欧州の大会だと、1人1曲テーマ曲があって盛り上がるんです
右代選手はソナーポケットのeyeronさんとよく食事に行くそうですが、アーティストからどんな刺激を受けますか?
僕は本業にボリュームをもたせすぎて、趣味の時間があまり取れてないことに気づきました。競技から離れて何か熱中できるものを見つけたほうがいいなと。
それはメンタルを整える意味で。
はい。本業を潤させるための趣味が絶対に必要だと思います。なので、最近はいろんなアスリートやアーティストの方々と会って食事をすることが刺激になっています。
右代選手にとって音楽はどういう存在ですか?
苦しいときに助けられたり、元気がないときに気持ちを明るくしてくれる力があると思います。欧州のとある大会だと、1人に1曲ずつテーマ曲が決められていてすごく盛り上がるんですよ。日本はかしこまった大会が多いですけど、海外だともっとエンタテインメントな感じで、観客のための演出がしっかりしていますね。
そこで右代選手が選んだ曲は?
僕が大会側にお願いして選んでもらったのは、クイーンの「We Will Rock You」です。すごく盛り上がりましたね。音楽は選手のパフォーマンスをより引き出すためのエッセンスになるし、数字は別として、やる気はめちゃめちゃ出ます。
日々のトレーニングで聴く音楽は?
めちゃめちゃきつい練習をするときは、ゆずの「栄光の架橋」をリピートしてます。練習をやめたくなるときに「ジャーン!」って鳴ると、「やるぞ!」って。くじけそうなときに一歩踏み出す原動力になります。

「この人の体カッコいい!」そういう理由で観戦に来てもいい
五輪のテーマ曲は、選手のみなさんも気になるものなんですか?
流れると「あのときの五輪の曲だ!」って思うし、リンクしますよね。東京五輪が決まってからは、練習へ向かうときに元気を出すためにサザンオールスターズの「東京VICTORY」を必ず聴きます。
日常のあちこちにやる気スイッチを用意しているんですね。
それに、日々のストレス解消にもなるんですよ。夜、テレビを観て「眠くなったから寝る」だと脳は休まらないけど、音楽を聴くことによって「自分は休むんだ」って自分の意識に刷り込む。それはすごく大切なことで、アスリートはそういうメリハリがないとやっていけないと思います。
アーティストにおすすめの運動はありますか?
椅子から片足で立ち上がって、ゆっくり座るという繰り返しを両足1セットずつ朝昼晩やると足腰が強くなるし、体幹のトレーニングにもなると思います。膝よりも股関節を使って立ち上がる意識です。もし難しいならテーブルを支えにしてもいいです。ボディメイクをするわけではないけど、体の機能は絶対に上がります。日常生活のなかで下半身は一番地面についている部分だから、その土台を鍛えることで体が安定するんです。足の機能がしっかり備わってないのに上半身に肉をつけると、やじろべえ状態になって腰や膝を痛めたり、変な怪我をしてしまうので、上半身を鍛えるのは土台を固めてからのほうがいいと思います。ストレッチよりもおすすめです。
最後に、十種競技の楽しみ方を教えてください。
僕が一番見てもらいたいのは選手の体です。十種競技は全世界から集まってきた身長190cm台の選手が競うんですけど、彼らは体の見た目がいいだけじゃなくて、顔もいい。最強モデルみたいな人たちばかりなんですよ。そういう選手たちが全種目を終えたあとに全員上半身裸になって、観客に自分たちの体をお披露目するので、そこに注目してもらいたいです。「陸上が観たい!」じゃなくて、「この人の体カッコいい!」っていう不純な目的でもいいんですよ。そういう理由で観戦に来る人たちのことも感動させる自信が僕たちにはあるので。
PROFILE
十種競技(100m、走幅跳、砲丸投、走高跳、400m、110mH、円盤投、棒高跳、やり投、1500m)の日本記録保持者(8308pt)。ロンドン五輪、リオ五輪に出場し、NHKで特番が組まれたこともある。また、元日のバラエティテレビ番組『ウルトラマンDASH』にも2018、2019年の2年連続で出演している。
関連記事
