肉体もマインドも研ぎ澄ませてステージに立つ。
高みを目指すためにアスリート精神は絶対に必要。
フルマラソンに挑戦してから歌詞やライブにも良い変化が
大阪フルマラソンで国内アーティスト史上最速記録を持つeyeronさんですが、マラソンを始めたことによって音楽活動に良い影響を与えている部分はありますか?
たくさんありますよ。メジャーデビュー7周年の“7つのことに挑戦しよう!”という企画がきっかけで初めてフルマラソンに挑戦して(2015年の福岡マラソンに出場)、目標の記録にまったく届かなかった悔しさから本格的に走るようになったんですけど、それによって2017年の大阪マラソンで2時間43分という最速記録を達成することができたんです。今はその記録を更新しようとがんばっているところなんですけど、そうした紆余曲折を見てもらうことで、自分の人間性までファンに愛されるようになった実感がありますし、仕事の幅も明らかに広がりました。歌詞やライブでのMCにも良い変化が出てきたように思います。必死で走ったそのときの思いが歌にも乗るわけで、ソナーポケットのeyeronとしての表現も豊かになったんじゃないかな。
良い影響だらけですね。
ライブで最高のパフォーマンスをするために走っていたところもあるんですけど、体力的な部分はもちろん、ステージに立つうえでのメンタルも鍛えられるんですよ。実際にライブ1本1本に対する集中力も高まりましたし、ひとつひとつのことにストイックに取り組めるようになりました。
音楽シーンのトップランカーもアスリート気質の人は多いですよね。
そう思います。みなさん、衰えを見せないパフォーマンスをやり続けるためにものすごく努力されていると思いますし、そういう探求をしていくマインドは五輪を目指しているアスリートと変わらないんじゃないですかね。肉体もマインドも研ぎ澄ませてステージに立っている。それは自分もそうですし、だから走り続けている。やっぱり高みを目指していくためにアスリート精神は絶対に必要なんですよね。
東京五輪に出る選手たちのために音楽で背中を押すことができたら
東京五輪が開催される2020年、アーティストとアスリートの両面を持つeyeronさんとしては、どんな活動をしていきたいなと思っていますか?
自分はマラソンランナーたちと友達だったり、東京五輪に出る選手とも仲間だったりするんですけど、そういう人たちのために何かしたい気持ちは強いですね。でも自分たちにできることは曲を作ってその人に届けることだから、音楽で背中を押すことができたらいいなと思っています。たとえば、十種競技の右代啓祐くんのために十種それぞれのスポーツの音をレコーディングして、それを曲のなかに入れ込んで彼の応援歌にしたりとか、そういうことがやりたい。十種競技はキングオブアスリートと呼ばれているし、認知度がもっともっとあっても良いと思っています。だから自分たちの音楽を通して広めることに協力できたらなって。自分は走っているからこそアスリートの気持ちがわかると思うんです。それを活かして曲が作れたらいいなって思っています。
春ツアー“Sonar Pocket Tour 2020”でも東京五輪に向けたアプローチはしたい?
ちょうど東京五輪の直前にやるんですよ。3月から始まって7月に終わる予定なので、東京五輪に向けて良いバトンを渡せるんじゃないかな。勝手に聖火リレーやっちゃおうかな(笑)。初日からツアーファイナルの中野サンプラザホールまで走り続けて、ラジオ局と組んだりなんかしちゃって、番組内で「eyeronさん、今日のライブに間に合いますか?」みたいな(笑)。2020年にしかできない企画でもあるし、そういう面白いことをやりたいですね! あと、これは来年じゃなくてもいいんですけど、僕みたいにマラソンをやっているアーティストを集めたフェスがやりたい。ライブはもちろんするんですけど、その会場までみんなで走るんです。そういうことをやって音楽とスポーツの親和性をもっと高めていくことができたらなって思いますね。
PROFILE
2005年に結成された3人組グループ、ソナーポケットのボーカリスト。3月14日(土)より全国27ヶ所のツアー“Sonar Pocket Tour 2020”がスタート、ファイナルは7月23日(木・祝)中野サンプラザ。