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2018.01.18

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小島紳次郎さん(株式会社WESS代表取締役社長)

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未来を担うクリエイターたちが集結!

札幌クリエイティブコンベンション「NoMaps」とは?

2016年10月にプレ開催され、2017年10月に本格開催された 「No Maps(札幌クリエイティブコンベンション)」は、 音楽制作者ならぜひとも注目すべきイベントだ。 120以上の事業数、札幌市内中心部の多数の会場で開催された このイベントは、新しい出会い、新しい可能性の宝庫と言えるだろう。 そこで今回は、そのNo Mapsを手掛けるWESS小島社長に、 “No Maps 2017”を開催したうえでの手応えと、今後への抱負を聞いた。

text:阿刀“DA”大志

“こういう技術と音楽をコラボさせてみよう”と考えることが必要とされる時代。

札幌は新しい技術をすぐに受け入れる面白い街

No Mapsとはどういったイベントなんでしょうか。

札幌のクリエイティブコンベンションです。内容的には「カンファレンス」「エキシビション」「イベント」「ミートアップ」「エクスペリメント」、そこに音楽が混ざって“音楽の分野でもこんなことができるんじゃないか”ということを提案しています。ライブハウスサーキットには約150組のアーティストが出ました。去年は「リリックスピーカー」といって、歌に合わせて歌詞がリアルタイムに流れる技術を使った演出をトライアルとしてやってみたんですが、今年は“IDOL DIVERSITY”というアイドルイベントでブロックチェーンの技術を取り入れたゲームを実証実験として行いました。

それは面白いですね。

あとは「エクスペリメント」を街としてもっと受け入れようということで、“まちに、未来を、インストール”というコンセプトで、様々な実験を街のなかで行いました。そのうちのひとつがMobikeという中国発の自転車シェアリングサービスで、自転車に付いているQRコードをアプリで読み込むことで解錠し、契約している数百の駐輪場であればどこでも乗り降りができるというものです。札幌市内中心部では車の自動走行の実証実験も行い、札幌市長にも参加していただきました(笑)。そういうふうに、札幌は面白い街なんだよ、新しい技術はすぐに受け入れるよというアピールをするために、公的なサポートも受けていますし、民間と行政が一緒になって街を活性化しながらビジネスにしていきたいなと。

「カンファレンス」はどういった内容なんでしょうか。

「カンファレンス」には真鍋大度さんや、『ポケモンGO』を開発したNianticの川島優志さんといった方々を迎えて、音楽の未来にとってためになる話をしていただきました。いろんなジャンルの方々の技術発表だけではなく、特にミュージシャンがモチベーションを上げていけるように、世界に出ていけるように、これからもこういったことを続けていきたいです。

子供向けにゲームのプログラムに関するセミナーや体験型の講習会も行われたとか。

はい、大盛況でした。当初の想定より多数の方が集まり、1,000人ぐらい参加されたんです。プログラムを作るということについては親御さんも理解しているし、学校の授業にも入ってくるので大勢のお子さんが集まったんでしょうね。セミナーは多数開かれたんですが、どこも大盛況でした。あとは、道内の高校生バンドを対象にした軽音楽大会を行い、年代問わず多数の方がご来場されたんですが、そこですぐれたオリジナルソングを書くバンドを見つけたので、今、彼らにレコーディングさせています。そうすることで自分たちの音楽をステップアップさせることができますから。こういうことを毎年1組ぐらいのペースでやっていきたいですね。しかも、こういった大会を開くことでバンド同士のコミュニティが生まれるんですよ。今までは練習スタジオのなかだけで終わってたことが、勉強したり交流したりすることによって広がりが出てくるんじゃないかと。

ゆくゆくは年間を通してのお祭り、勉強会にしていけたら

No Mapsはそもそも、アメリカのSXSWからインスパイアされて始めたんですよね。

そうです。SXSWが開催されているオースティンは今、ミュージシャンが音楽で食える街になっているんですね。バーがいっぱいあって、そこで歌のバイトをしながらミュージシャンライフを送っている。ミュージシャンが安心して生活できるし、デビューもしやすい。みんなピークをSXSWに設定しているから、そこを目指してアメリカ中のミュージシャンが集まってくるんですよ。

そのおかげで、今やオースティンの人口が急増しているそうですね。

そうです。今は音楽だけでなく、技術の分野も一緒になっているんです。ただ音楽を作って、“じゃあ、これをメジャーから出そう”という時代ではなくなってきているし、音楽関係者は“こういう技術と音楽をコラボさせてみよう”と考えることが必要とされる時代なんじゃないかと思いますね。

去年今年とNo Mapsをやってみていかがですか?

いろんな部分でスターが出てきてるし、これはやり続けなければいけないなと。あとは、ライブハウスのなかだと、音は聴こえても、やっている人の姿が外から見えないじゃないですか。だから来年以降はもっと街のあちこちで“見える”ようにしたいですね。たとえば、ストリートやカフェの入り口でも音楽をやることで一体感を作っていけたらなと。そうすることでNo Mapsのお祭り感がよりはっきり見えてくると思うし、街の活気にもつながっていくと思うんです。商店街の方たちからも「ここは使えるように許可取るから」という話が出てきたりしているし、お祭りとして街を賑わせたいとみんなが思っています。ピークは開催期間の10月ですけど、ゆくゆくは年間を通してのお祭り、勉強会にしていけたらなと。

パスを持っていると特定のお店での飲食が割引になるという施策も面白いです。

これも今後、店舗を増やしていければと思っています。年を重ねるごとに、みんなで「いらっしゃい!」とお迎えできるような街の一体感を作りたい。これまでは来てくれた人の数だけで評価されてきましたが、今後は質の濃さももっと追求していきたいですね。

分野を超えて、あそこに行けば新しい人と交流できるという場にNo Mapsがなっていければ。

みなさんがコツコツと作っていたものをポッと発表できる場に

ビジネスはもちろん、音楽のことにもとても積極的ですよね。

僕らは音楽のことしかやってきてないじゃないですか。“売れるためにはどうしよう”って。そうじゃなくて、“この人は面白いアニメを作っているから一緒にやってみない?”とか、ほかの分野と音楽をくっつけることが、こういう小さなコンベンションをきっかけに増えたらいいですね。

今は音楽、アニメ、映画等が単体でお客さんをつかまえる時代ではなく、飲食や観光などいろんなものを複合的に組み合わせることで、より広がっていくのではないかということですね。No Mapsはまさにそういうことを具体化していると思います。そのほかにNo Mapsで実現したいことは?

もっと人材交流をさせたいですね。開催期間だけでも誰とでも気軽に名刺交換ができるような街にしたい。東京だと広すぎてこれがうまくいかないんですよ。

海外からも多数の音楽関係者が来ていたそうですが。

モンゴル、スウェーデン、台湾、韓国をはじめ、世界各地からたくさんの方が参加してくださっているんですよ。それぐらい海外の人たちは日本のマーケットを気にしているんです。日本の音楽シーンも積極的に海外に出ていってほしいんですよ。札幌から東京、東京を越えてアジア、欧米という足がかりになったらいいですね。

No Mapsは可能性がありすぎて、今後もやるべきことがたくさんありそうですね。

でも、ひとつはっきりしてるのは、弊社はこれまで音楽を専門にやってきた会社だから、そこにどうやって新しい風を吹かせるかということですね。ただ、全部うちだけではできないので、ほかのプロモーターも混ぜていかないと。とにかく質の高いものを発表していける場所、巡り会える場所なんだということを前面に出していこうと思っています。アーティストや技術者のみなさんがこれまでにコツコツと作っていたものをポッと発表できるようなイベントにしたいですね。そして、分野を超えて、あそこに行けば新しい人と交流できるという場にNo Mapsがなっていければいいなと思っています。

No Mapsとは?

札幌クリエイティブコンベンション「NoMaps」とは?
No Mapsを構成する5つの事業

No Mapsは、「クリエイティブな発想や技術によって次の社会を創ろうとする“現代的フロンティアスピリット”を持った人たちのためのコンベンション(人、情報、知識、物などの交流の場)」(プレスリリースより)で、北海道札幌市内中心部を基本に開催。音楽、映像、ITやAIなどのインタラクティブを融合しながら、先端テクノロジーや斬新なアイデアを紹介し、クリエイターたちの交流を促し、新しいビジネスの誕生や未来の社会の開発などを目指している。

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