現場マネージャー物語

2017.09.15

INTERVIEW

現場マネージャー物語

coldrain担当 渡部達郎さん

#123 coldrain担当 渡部達郎さん株式会社GRIP / gil soundworks

日本のみならず、海外シーンでも積極的に活動を続けているcoldrainを陰で支える渡部さんは、ライブハウスでのアルバイトをきっかけに音楽業界での仕事をスタートさせたそうだ。マネージャーとしてのキャリアは始まったばかりだが、メンバー、チームとのコミュニケーションを第一に考え行動している。

text:高橋 葵 photo:青木早霞(PROGRESS-M)

アーティストとお客さんが“すげえ楽しかった!”となればオールOKみたいな(笑)。

やったことのない仕事に挑戦したい気持ちが強かった

渡部さんはcoldrainのご担当になって1年半ほどだそうですが、以前も音楽関係のお仕事をされていたそうですね。そもそもこの業界に飛び込んだきっかけは?

実家が秋田で結構田舎なんですけど、大阪の大学に行くまでライブに行ったことがなくて。大学に入ってから、友達に「ライブ観に行こう」と誘われ、ライブハウスとかに行くようになったんです。新しいバンドや音楽と出会って、CDを買って、好きなバンドを観に行ったらまた違うバンドと出会って…となったとき、ライブを観ながら仕事をできないかな?と思って、心斎橋クアトロにバイトで入ったんです。

音楽好きが高じて。

そこで仕事をしているときに、裏方の人と話す機会が増えて、イベンターの仕事に興味を持ちました。それで、大学卒業のタイミングで、当時のクアトロの店長に「プロモーターをやってみたい」と相談して。そこから東京のプロモーターとして研修からスタートしました。プロモーターは4年半くらいやっていて、その後少しフリーの期間があり、フェスの制作の協力などをしていました。そのあとさらにライブハウスに入社してブッキングをやりながら、イベント制作だったりをしていたんですけど、その頃に、この会社の代表からお誘いをいただいたんです。マネージャーの仕事は今までにやったことがなくて、イチからではあったんですけど、「coldrainのマネージャーをお願いしたい」と、いきなりそのポジションを任せてくれて、ものすごくやりがいがあるなと思ったんです。やったことのない仕事に挑戦してみたいという気持ちは強かったかもしれないですね。ただ、間違いなく大変なことになるとは思ってました(笑)。

アーティストと近いところで、様々な事柄を“決めていく”

新しい環境にはすぐに対応できました?

運営の面だったり、制作の面だったり、過去の仕事で培った経験が、マネージャーの仕事に役立っている部分もありますが、アーティストと一番近いことだったり、レーベルとのやりとりだったりはこれまでになかったことなので、難しさはすごく感じています。アーティストと近いところで、様々な事柄を“決めていく”ということは今まで経験していなかったので。そこに楽しさもあるなと思っているんですけどね。最初はとにかくわからないことだらけだったので、何事も確認しながらでした。

プレッシャーもあったり?

はい、めちゃくちゃありました。むしろプレッシャーしかないです(笑)。バンドが今年結成から10年で、ある程度確立されている状態でやっているので、逆に教えられることがすごく多いですね。coldrainはメンバーの意志が強いので、事務所としても、メンバーのやりたいことをできるかぎり実現させるというか。メンバーが「こうやりたい」って言うのを、現実的にどうなのか?と判断して、できるだけやらせるスタンスでいます。

ミーティングをする機会も多いのでしょうか?

いや、結構ライブの本数が多かったりするので、逆にミーティングの回数は増やしていきたいなというところです。

では、普段のツアーのなかでの会話ですとか、そういったところでメンバーのやりたいことをピックアップしていくような?

そうですね。“確認して共有する”っていうのが、絶対的に必要な部分ですし、みんなの意識統一を心掛けています。

ソロアーティストと違って1人じゃないですもんね、バンドだと。

バンドメンバー5人それぞれの意見があるので、やっぱり違う意見も出たりするんです。そこをちゃんとまとめて、マネージメントチームやレーベルもまとめてっていう作業が意外と大変だなと思いました。

もっと上を目指す気持ちは10年間絶えていない

大変なことも多いとは思いますが、このお仕事の醍醐味や、やっていて良かったと思うことはどんなことでしょうか?

coldrainがやっている音楽ってポピュラーかどうか?って言われると、そうではないかもしれません。でも、信念を持っているバンドに携わらせてもらっているっていうのは、一番うれしいことです。

ご自身もパワーをもらっているような感覚でしょうか?

そうですね。音楽性も挑戦を続けていますし、それを進化させていく過程などもリスペクトしているので。彼らがもっと上を目指す気持ちは10年間絶えていないと思います。

coldrainは海外での活動も盛んですが、現場の雰囲気はやはり日本とは違いますか?

僕が行ったのはフェスの“Vans Warped Tour”だったんですけど、知らない音楽でも“カッコいい”と思ったら、お客さんは反応して表現していました。そこは日本よりもストレートなところなのかなと思います。

裏方も日本と違うところはありました?

coldrainについていたスタッフはノリが良くてフランクというか(笑)。そのワールドツアーも40本くらいツアーバスでアメリカをずっと一緒にまわっていて、そういうチーム感もすごいなぁと思いました。メンバーもライブの仕方、お客さんに対するアプローチなどは、海外経験を通して活かせているんじゃないかなと思います。海外では自分たちのことを知らない人がやっぱり多いじゃないですか? そこをいかにつかむかっていうところですね。

来年2月には日本武道館公演も決まっていますよね。

はい。10月11日に新しいアルバムをリリースするんですけど、僕らマネージャー陣が聴いても、間違いなくカッコいい、勝負できる音源だとは思っているので、それをいかに届けるかを考えています。この良さをどう伝えるかというところを、プロモーションも含めて、アプローチしていかないとなと思っています。

鳥肌が立つような“音楽を共有している”って瞬間に立ち会える

マネージャーの仕事において、ご自身が特に気を配っていることは何でしょう?

いろいろな側面から考えようとすることでしょうか。お客さんの立場、アーティストの立場、スタッフの立場、マネージメントの立場、いろんな立場に立って考えてみることです。まだまだしっかりできていないですが、心掛けていることではあります。

音楽業界で長くお仕事を続けてこられていますが、そのモチベーションは何ですか?

アーティストがすごくいいライブをして、お客さんがすごい盛り上がって、鳥肌が立つような“音楽を共有している”っていうところに立ち会える瞬間ですかね。何があっても、いくら大変でも、アーティストもお客さんも“すげえ楽しかった!”となればオールOKみたいな(笑)。

相殺されると(笑)。今後のご自身の目標や展望は?

まずはやっぱり様々なスキルをもっと上げていきたいなとは思っていて。経験値を高めて、“そんなこと考えてるんだ!?”というような、発想能力、引き出しを増やしていきたいというのはあります。いろんな選択肢を持って、よりアーティストに合うものを出していきたいなと。英語もしゃべれるようになりたいです。

カバンの中身拝見!

両手の空く大きめのリュックサックを愛用し、アイテムはモノトーンで統一。タコ足状の電源タップは意外と便利で必需品だそう。手帳も併用しているが、スケジュールは主にPCで管理している。

カバンの中身拝見!

1. ハードディスク
2. タコ足電源タップ
3. ACアダプタ
4. iPhone

5. ペンケース
6. 手帳
7. PC(Mac)

coldrain

coldrain

2007年結成。2008年にファーストシングル「Fiction」でメジャーデビュー。10周年を迎えた今年は、10月11日にニューアルバム『FATELESS』をリリース。10月29日より“FATELESS JAPAN TOUR 2017”をスタート。ファイナルは2018年2月6日(火)日本武道館。

Promotion within 100characters

渡部さん、担当アーティストを100Wでプロモーションしてください!

とにかく彼らの強みはライブだと思ってます。日々度肝抜かれてます。自分らがカッコいいと思ったことをストレートに届ける。coldrainを信じて貫き通しているぶれない気持ちがこのバンドにはあります。

最新作はコレ!

5th album『FATELESS』

5th album『FATELESS』

ワーナーミュージック/WPCL-12765/6(限定盤)、WPCL-12764(通常盤)/10月11日発売

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