現場マネージャー物語

2016.11.15

INTERVIEW

現場マネージャー物語

アルカラ担当 細井 翔さん

#119 アルカラ担当 細井 翔さん株式会社スペースシャワーネットワーク

平成生まれの若手マネージャーである細井さんは、音楽業界に入りたいという思いを胸に大学時代からコンサートスタッフのアルバイトを始め、自分の力でマネージャーになる夢をかなえた。人と人のつながりを大切にするバンドのスタンスを尊重しながら、アルカラ結成15周年に向けて奔走している。

text:高橋 葵 photo:岡本麻衣(ODD JOB LTD.)

“怖い場所だな”と思ったところほど飛び込んでみたらいいと思います。

200人のうちの1人より6人のうちの1人のほうへ

細井さんは今おいくつなんですか?

僕、26才です。

お若いんですね! 音楽関係の仕事をやってみたいなと思ったのはいつぐらいの頃だったんですか?

中学、高校でずっと野球をやっていたんですが、高校3年で引退になって、そこで“この先何しようかな?”と思ったんです。洋楽がすごく好きだったので、そのときにレッド・ホット・チリ・ペッパーズの東京ドーム公演に行って。演出に頼らないライブを観て、こういうバンドに携われるような仕事、マネージャーの仕事をしてみたい!と漠然と思ったんですよね。そういう思いは18才のときからありました。それまで“コンサート”しか観たことがなかったので、バンドの“ライブ”っていうのがいいものだなあと思って。

スペースシャワーネットワークが初めて入った会社になるんですか?

いや、違うんです。高校を卒業して、大学に通いながら、ライブパワーという東京のイベント会社で4年間バイトをしていまして。サークルには入らないで、ずっといろんな現場に行っていました。最初は大きい現場に行ってたんですけど、音楽業界の人とからめない場所が多くて。小さい規模のほうがマネージャーさんとかと話せるんですよ。スタッフ200人のうちの1人より、6人のうちの1人のほうがそういう機会があるじゃないですか。そう思って、小さい現場に自分から入るようになって。

そこで人脈が広がっていって。

そうですそうです。そこで知り合った人とはいまだにつながってたりもしますし。でも、大学時代の就活で、新卒を募集している音楽系の会社を全部受けたんですけど、全部落ちて。そこで一回音楽業界をあきらめたんですよ。現役でどこかに入らなきゃいけないみたいなあせりが出てきて、カーディーラーとか建築関係とかも最終的には受けるようになったんですけど、40社くらい落ちたんですよね。でも、そんなタイミングでバイト時代にお世話になっていたライブ制作の会社からお誘いをいただいたんです。音楽業界に入れる!と思って、それをきっかけにライブ制作の会社に入りました。

一番力になれるところに行きたいなとスペースシャワーに入社

アルカラとの出会いはどういったきっかけだったんでしょう?

アルカラは、そのライブ制作会社にいたときに初めて一緒にやったバンドなんです。ツアーマネージャーとして全国をまわって。でも、僕は2年経った頃にライブ制作会社を一回やめて、音楽の仕事じゃないことをやろうと、服飾の倉庫のバイトとかをやったりしていたんですね。

そこでまた別のお仕事を。

でもその後、スペースシャワーネットワークの部長からお誘いをいただいて。アルカラって現場マネージャーという存在がいなかったんですよ。それなので、一番力になれるところに行きたいなと思って、スペースシャワーに入社したという感じですね。

最初はどんな目標を立ててお仕事に取り組んでいらっしゃいましたか?

やっぱりバンドのメンバーの気持ちに寄り添って物事を考えて、メンバーがよりやりやすい空間を作るっていうのは最初はすごく意識していました。今は2年半くらい経ったので、少し変化して。メンバーの意見を汲んで、それを実現させてあげようっていう気持ちはすごく強いんですけど、違った方向にいったときには、ちゃんとそこは違うよと言ってあげられるような感じの仕事スタイルになっています。

SNSをいっさいやってなくて。ひと手間かけても観に来てほしい

メンバーと歳の差もありますが、そこで大変だったことはあります?

いや、逆にやりやすいですね。10個くらい離れてるんで、逆にフランクに接せられるというか。歳が違うと考えることが全然違うので僕にしか出ないアイデアもありますし、一番お客さんの目線に近いのはたぶん僕なので、バンドの活動をいい方向に進めていけたらっていつも思いながら仕事をしています。

ボーカルの稲村さんが中心になって運営しているレーベル「くだけねこレコーズ」では、サーキット型のフェス“ネコフェス”を2013年から毎年神戸でやっていらっしゃいますね。

アルカラがオーガナイザーとなって、神戸のライブハウスを盛り上げて、神戸にこんな素敵なバンドがいるんだよ、ということをアピールしています。今年は全67アーティストが出たんですけど、武道館クラスのバンドがいたり、地元のバンドがいたり。バンドの規模にかかわらず名前が一緒に並んでいるフェスというのはなかなかないと思っていますね。

サーキットという形でフェスを主宰しているバンドもなかなかいないと思います。

そうですね。やっぱり“ライブハウス”というのを主体に考えていまして。

ホームページのライブ情報ページも文章が面白いですが、インターネットの活用については、何か積極的に行っていることはありますか?

それが、うちのバンドって、SNSをいっさいやってなくて。僕の個人のツイッターアカウントはあるんですけど、そこでは「ライブやりました!」とか、そういう報告のつぶやきしかしないんです。そもそも、昔ってSNSがなかったじゃないですか。アルカラって、お客さんが自分でフライヤーを見て、ライブハウスに足を運んでっていう部分を、いまだに大切にしているバンドなんです。それなのでホームページでしか基本的に情報を出さない。お客さんから探しに来てもらうというか、ひと手間かけても観に来てほしいみたいな思いが強くて。今でもフライヤーは、ライブの当日にボーカルの稲村が手描きして、それを僕がコピーして、裁断して、折り込むっていう形をとっています。こっちもお客さんもうれしいし、と毎回描いているんですよ。

その日のライブに来た人だけがもらえるチラシなわけですね。今後もあえてSNSは使わずに?

そうですね。新しいSNSツールがまた出てきたらいいなとは思うんですけど。

15周年のあとの再来年につなげるための来年でもある

細井さんが理想とするマネージャー像を教えてください。

まずはアルカラを全力でやるんですけど、いつかは自分でバンドを見つけてマネージメントするっていうのが、マネージャーの一番の醍醐味だと思うんです。そのフィールドに行くまでに、いろいろと学んでこそようやくスタート地点に立てるのかなと思っています。

なるほど。音楽業界を目指している人に向けたアドバイスをするとして、マネージャーに必要なスキルは何だと思いますか?

積極的に自分を売り込んでいくというか、“怖い場所だな”と思ったところほど飛び込んでみたらいいと思います。今、僕はすごく楽しい経験ができているので。自分から動いてアピールしていって、音楽業界の人の目に留めてもらえるようにすることかなと。

最後に今後の展望を教えてください。

来年の目標は、“ネコフェス”の開催、そしてアルカラの15周年に向けての展望をしっかりと練りたいと思います。15周年のあとの再来年につなげるための来年でもあるので、しっかりとプランを立ててやっていきたいなと思います。

カバンの中身拝見!

カバンの中身拝見!

ガジェット類を多く持ち歩き、スケジュールはメンバー、スタッフ共有のWEBカレンダーで管理。携帯電話、財布はバンドの仕事用とプライベート用を使い分けているそうだ。CDをすぐ聴けるようプレーヤーも。

カバンの中身拝見!

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アルカラ

アルカラ

自称“ロック界の奇行師”。2003年に現体制に。11月23日にニューシングル「炒飯MUSIC」をリリース。11月28日(月)渋谷WWW Xを皮切りに“アルカラ こ・れ・で・も・か!!TOUR 2016 -東名阪-”がスタート。

Promotion within 100characters

細井さん、担当アーティストを100Wでプロモーションしてください!

アルカラの醍醐味はやはりライブです! 年明けには全国ツアーも決定しており、年間100本を超えるライブで培われた実力で“ロック界の奇行師”の名のままに変幻自在な楽曲を繰り出すライブをぜひ体感しにきてください!

最新作はコレ!

new single「炒飯MUSIC」

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ビクター/VIZL-1085(初回盤)、VICL-37235(通常盤)/11月23日発売

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